森林,雑木林に肥料をまく人間はいない。
 廃棄された建設残土の山が数年で森林になる、その過程で肥料をやって育てる人間はいない。
そこに土さえあれば、草が生え、木が茂り、数年で森林となっている。
 植物の育て方は赤玉土等の肥料成分を含まない土に種を播き、根を出し双葉から本葉が出始めた頃に化学肥料や腐葉土を混ぜた土に植え替え(直播の場合はその場所で)水やりや追肥しながら育てる。
 そうしないと育たないと教科書で習った、園芸の本で学習した、テレビの○○の園芸でも教えてる、みんながやって るから正しいと思い込んでいた。

 炭素循環農法に関する情報をインターネットで知り、いろいろ知識を深めることができた。
 森や林の草木が自然に(人間の介入なしに)素晴らしくよく育つように畑(田)でも同じように野菜(米)を育てることができる。

 
 いい事ずくめのようだが、微生物を飼育するのは非常に難しい。 
 微生物による汚水処理や臭気処理の仕事に携わったことがあるが、長年の研究(私はしていない)によって顕微鏡で確認できる代表的な微生物の種類や生息単位、温度、PH,DO,MLSS,BOD,COD等の管理基準が数値化され管理方法がマニュアル化されているうえに自動分析計やセンサーでコンピューター制御していても完ぺきではない、ある日突然壊滅状態になることがある。
 人間は、有用な微生物を飼育しているのであり汚水を処理しているのは微生物だ = 人間は、田畑で有用な微生物を育てているのであり野菜やコメを育てているのは微生物だ(炭素循環農法)。
 ついでに、「汚水や臭気・排ガスの化学物理処理」に対し「化学肥料+農薬農法」が似ている。
どちらも人間が直接介入して化学薬品(化学反応)や化学合成物質(物理反応)、機械設備(遠心力やフィルター)を使って「処理」又は「育てる」。
そして、同量(質量保存の法則)の化学的に危険ではない、化学的に安定しているが環境負荷となる廃棄物を生産又は排出する。
 工業的な廃棄物は安全とされる処理、処分がなされ管理体制が確立しているため基本的には自然界へ影響を与えないとされている。
 一方、農地における化学肥料や農薬は、使用基準や指導に従って適正に使用されているものの吸収されなかった化学肥料の余剰分が、そして時間とともに毒性が弱いものに化学変化した農薬は質量保存の法則で使用量がそのまま環境負荷となり、土壌や河川湖沼海の汚染の原因の一部となっていることは否めない。
 我が家でもほんの50年くらい前までは、DDTやホリドールといった有機塩素系殺虫剤をよく使っていた記憶がある、その製造過程でダイオキシンやPCBが生成され多量に含まれていた可能性が指摘されているが、当時はタオルを巻きつけるかガーゼマスク程度の保護具しかなく、よく何事もなかったものだといまさらながらに背筋が寒くなる。

 炭素循環農法では活性化した土壌(水田では活性化した水)でなければならないとしている。
 またもや水処理の話になるが、好気性菌を使った「活性汚泥法」と嫌気性菌を使った「嫌気性消化法」があり、活性汚泥法は、大量の空気(微細な大量の泡)を水中に吹き込み溶存酸素量を一定の値に保ち大量の微生物を養っている。
 土壌で好気性菌を飼育するためには土壌中に大量の空気を吹き込めばよい、畑の地下に小さい穴のあいた配管を敷き込み、ブロアーで空気を強制的に送り込めば(土壌脱臭法の原理)よいが、炭素循環農法では人間の介入を必要最小限にとどめながら自然循環を自然よりも効率よく進めるために必要最小限の手助けを考え工夫することが求められているように思う。
 安全安心な農作物を生産し、その生産過程における環境負荷を少なくするとともに費用対効果が上がる農業を目指さなければならない、そのためにはもっと自然に学ばなければならないということか。

 

 



森林は森林だからと別物のように何の疑もなく、園芸植物は化学肥料、腐葉土や堆肥、水を与えないといけないものと、それが私の常識になっていた。
炭素循環農法に出会って、思い当たることがいろいろ出てきた。
 鉢植えの草花から落ちた種が庭木の根元でいつの間にか元気に育っていることがある。
家の庭木は、夏水蒔きくらいするが肥料は必要ないと思っていた、木だから、もう何十年も育っているから。
植物は、コンクリートの隙間で育ってることだってある。ど根性大根とかetc。
ナガミヒナゲシなんかはアスファルトの隙間で育っている。
コンクリートの基礎や路盤に腐葉土を入れるアホはいないしクラックに化学肥料を詰めるアホもいない。と思う。
 瓦屋根に生えるペンペン草はどうか、人が肥料をやったか、そんな場所に、生えてほしくもない雑草に肥料をやるアホはいない。しかし、しっかりと根を張って生えている、へたに抜くと瓦がずれる。
 森林の土、コンクリートの下の土、アスファルトの下の土、土の中には肥料になるものというか草木の養分になるものが自然にできるのか。手入れしてない家の庭木の土にも。
 自然にできるらしい、太古の昔海から陸に上がった植物は微生物と共生共存しながら進化してきたらしい。

人間が発生する前から植物は生きてきたわけだから、育っていく環境に人間の力は必要ないようだ。
その、微生物は

               
その他にも人間が見つけていない、単細胞生物がいっぱいいるようだ。
 植物が育つのに直接かかわっている微生物のことを菌根菌と呼び、外生菌根と内生菌根があって植物と寄生、共生関係にあることが分かっているらしい。
 森や林の中には太古の昔から続いてきた正しい自然の循環があり、人間が介入した時点から正しい循環が崩れだし、介入し続けなければならなくなるのだろう。しかし、自然は人間が介入することを止めれば時間をかけて正しい循環を作り上げていく力強さを持っているようだ。

 炭素循環農法に関するページでは、化学肥料が残っていると微生物が活動しない、特に窒素成分が多いとだめなように書いてある。
 思い当たることは、植木鉢に化学肥料と腐葉土、堆肥を混ぜた土で植物を育てていると、肥料欠乏、肥料過多(肥料あたり)など管理が悪いとすぐに枯れてしまう。
 こんな時は、重症になる前に新しい土に植え替えでもしないかぎり助からない。
植木鉢の限られた空間だが、無菌室に置いているわけではない、植物があり微生物もたぶんいるはずだと思うが菌根菌は助けてくれない=化学肥料があると菌根菌が活躍(活動)しない、出来ない、又は、必要な微生物が生存していない、生存していても極少数で自然循環が形成できない等が考えられる。
条件が整えば出来るのかも知れないような気がする。
残存化学肥料が邪魔をしたのか。原因は何か、限られた空間では元々正しい自然循環は形成されないのか。
 いや、そんなこともなさそうな事例がある。
庭の隅に積み上げてあるほったらかしの土が少なく落ち葉や枯れ草が入った植木鉢で、マンリョウやベゴニアなどが知らぬ間に育ってることがよくある、市販の土に植え替えて肥料をやり大きく育てようとするが、ちょっと手を抜いたら(前記のごとく)すぐに枯れてしまう。
ところがほったらかしの鉢に残った苗の方は元気に育っている。ここには正しい自然循環が出来上がっているんだと今なら思うが、当時は新しい苗が残っていてラッキー程度のものだった。
 家の庭木は定期的に剪定するが、落ち葉の処理は適当にしかしていなかったので根元に枯れ葉がたまっている状態でこれが微生物の繁殖に役立ち、偶然にも菌根菌と植物の自然循環が出来上がっているのだと思う。庭木の周りのユリやキキョウ、フジバカマ等の草花は肥料もやらないのに水だけで毎年時期が来ると勝手にきれいに咲いてくれるのでアリガタイ事だと思っていたがアリガタイのはそこに住みついてくれた微生物たちに言うべきのようだ。
これからは、時々剪定枝チップをプレゼントしなければ。

 炭素循環農法では、有機栽培で使われる家畜糞肥料、堆肥、腐葉土なども特別な目的がある場合以外はダメとなっている。言い換えると腐ったものを土壌に混ぜる、もしくは土壌の中で腐らせる=嫌気性菌の活動を活発にすることで嫌気性土壌にしてしまうと、腐ったもので育った野菜は腐るという意見につながる。
これを私は勝手に嫌気性土壌農法(Anaerobic soil farming methods) と分類し、これに対して炭素循環農法のことを好気性土壌農法(Aerobic soil farming methods)又は活性土壌農法(Active soil farming methods)としてみた。
短縮表記すると AnSFM:ASFM ってとこかな。
またもや水処理で使ってるような呼び名をつけてみたが、炭素循環農法と聞いて私はピンとこないというか具体な農法と結びつかなかった、炭素循環農法を理解したつもりの今でもシックリこないが活性土壌農法ならシックリくる。
 自然の森林、雑木林であたり一面に大量の動物糞があることは無い、目的を持って探さないと見つけられないくらいだから正しい自然循環の中に動物糞は少量でいいように思う。。

 


 好気性微生物を飼うためには空気の循環が絶対必要になるからネット上の先輩実践者は畝の間を深い(80p〜1m以上も)溝にして中に炭素資材を充填しているようだ。

畑の土壌に空気を入れる方法、炭素資材の入れ方や時期、水をやる時期や量をどうすればよいのか。又、どんな形の畑にすれば森林のように環境負荷の少ない持続可能な自然循環を作ることができるのか、まずは、先輩方のモノマネと実証実験を開始することにした。
先ず初めに
○1.菌根菌を含む有用な土壌微生物は条件さえそろえば自然発生するか?
○2.条件は、植物、土、炭素資材(剪定枝チップや落ち葉)、空気、水適宜だけでいいか?
○3.既に微生物がいそうな土と全くいそうにない土で差は出るか?
上記3つの目的と疑問を解決するための環境を2つのプランターで実証実験やってみた。
炭素循環農法のページに書いてあることを実証実験するので「炭素循環農法」の表記をつかわさせていただくことにした。
菌根菌の活躍が確信できたら活性土壌農法とか好気性土壌農法と呼びたいと思っている。
  私は、菌根菌の大王キンキングだ、 これから時々出てくるからな 家来はいろいろおるぞ  







T.Horimoto
サルまねではない自然循環農法、森林にある自然循環を田畑に再現し、人間は邪魔にならないように手助け(土壌微生物の食物を出来るだけ食べ易いように調理して提供する、微生物の毒になるようなものは排除し化学肥料や腐植を持ち込まない)するだけで、無化学肥料無農薬の安全で安心な野菜を手にすることができる。さらに収量も増える。

人工的な堆肥や腐葉土と森林、雑木林にあるフカフカの落ち葉や枝の堆積物の土に近い部分の状態は、今までは同じように見えていたが、今はちょっと違うぞと思えてきた、明確な理由は分からない、先入観からか、本当に違うのか、腐葉土も堆肥も使う気がないので誰かが教えてくれるまで待つことにした。
 炭素循環農法では土壌を活性化させること=好気性微生物を大量に飼うくこと=ASFMだから、土、空気、炭素資材(木材チップ、剪定枝チップ、竹、落ち葉等々)、水が大事であるといえるし、そう書いてある。

        

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